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ムンクの叫びは叫んでいない?!

橋の上に立つひとがおののく様子を印象的なタッチで描いた「叫び」。日本では小学校の美術教科書に登場したときから「ムンクの叫び」と呼称されるあまり、あたかも絵の中の人物がムンクという名であると誤解しているひとまでいるらしい。

この絵はノルウェー人画家のムンクによって描かれたものである。たとえどんな画家か知らなかったとしても、ここまで「画家+タイトル」で老若男女問わず知られている絵もないだろう。

しかしこの「叫び」で描かれる人物は叫んでいるわけではないと知っていただろうか?
これは、夕暮れ時に突然の幻聴・幻覚に見舞われた人物が、恐怖を感じ手で耳を覆って、懸命に不安と戦っている様子なのだ。
この人物の幻覚・幻聴とは、実際にムンクが体験したものとされ、その瞬間についてもムンクが残した日記に書かれている。
そう聞くと、歪んでいるまわりの景色が見るものを飲み込みそうな迫力があるのにも納得がいく。

これは余談だが、ムンクは入念なデッサンを重ねた画家としても知られている。数々の彼のデッサンを見ると、実にユニークなタッチの持ち主だったとわかる。ART & LOGICも、自分が生まれ持ったタッチを知ることからはじまる。デッサンのタッチには、個性やそのひとの身体に刻み込まれているリズム感が詰まっているのだ。いわば、体内に隠された年輪のようなもの。そんな自分のしまい込まれた一面をいっしょに探してみてはいかが?   (M.K.)

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