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揺れる欧州、アーティストの目にはどう映る?

国民投票の結果、EUからのイギリスの離脱が決定した。イギリスの首都であるロンドンは、文化多様性に対していつもオープンであったため(今年の5月には世界の大都市ではじめてイスラム教徒が市長に就任したほど)、予想を覆す結果に世界が震撼した。それは金融市場を見ても明らかである。

これを見てバンクシーはなにを思うのだろうか?バンクシーはロンドンに拠点を置く、覆面アーティストである。これまで数々の社会風刺メッセージを投げかけ、世界にインパクトを与え続けている。
バンクシーの名が世に広まったのは2001年のこと。イスラエル軍から銃を向けられながらもパレスチナ側の分離壁に9枚の壁画を描きあげた。

一見、街の落書きと見分けのつきにくい彼の作品は消されたり、壊されたり、はたまた持ち去られたものも多いのだが、今でもロンドンや彼の故郷のブリストルへ足を運ぶと、残っている彼の作品を多く目にすることができる。また、フランス・カレーで足止めされた難民の扱いを非難して、レ・ミゼラブルの登場人物コゼットをロンドンのフランス大使館に前に描き、抗議の意を表したのも記憶に新しい。
彼の目には、現在のヨーロッパの動乱がどう映るのだろうか?

 

アートが世相を代弁し、アーティストから一般市民の心境までも読み解ける時代。民主主義の在り方が問われる時代だからこそ、アートが持つ力を信じたいと思う。   (M.K.)

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