やっぱり見た目、ビジュアルが世界をまわしてる!
近年、現代アートの世界では、作り手と鑑賞者の垣根がどんどん取り払われつつある。
鑑賞者の参加があってはじめて成り立つアート、インタラクティブアートの台頭が両者の境界線を壊しているのだ。
カラーランやアートナイト、プロジェクションマッピング。近年、さまざまなアート融合型イベントが話題になっている。人が関わることで生み出される相乗効果は、仕掛ける側ですら完全には想定できず、参加する側が盛り上がりの一翼を担っている。
この動きに拍車をかけているのが、視覚メディアであるインスタグラム・スナップチャットをはじめとする動画・画像シェアSNS。一般人による、タイムリーで嘘のない情報が、今もっとも信頼されている証拠だ。今年の夏にチームラボが手掛けた光のインスタレーション、DMMプラネッツの人気は記憶に新しいだろう。この人気はSNSで拡散に拡散を重ね、雪だるま式に来場者が増えていった結果である。
マーケティングの世界でも10年ほど前からこれからの消費行動において「シェア」が鍵となる、とは言われていた。それを裏付けるかのように、伸びたのがシェアリングエコノミーの分野だ。シェアオフィス、シェアライド、海外ではペットや手料理などシェアの対象はかなり幅広い。今を生きるひとたちの行動を見る限り、もはやシェアは鍵どころではなく、トレンドそのものを形づくっているのだ。
今年1年のイベントや店舗ビジネスの成功例を見ても、SNSでの写真シェアはポイントだ。SNSでの目新しさ“インスタ映え”を求めて動くのは、新世代の常識でもある。アートはますますわたしたちの生活と一体化してきているのだ。 (M.K.)