アートコレクターに著名な実業家が多い理由
偉大なアートコレクターたちの中には、経営者や学者、政治家、そして各国を代表するような実業家たちが多く名を連ねる。
LVMHグループ創始者のベルナール・アルノー、マイクロソフト共同創業者のポール・アレン、ファーストリテイリング社長の柳井正。忘れてはならないセレブリティーが、俳優・レオナルド・ディカプリオだ。彼はついに「世界のアートコレクター・トップ200人」にも昨年ランキング入りしている。
彼らは財力にものを言わせて買い漁るのではなく、自分のセンスを信じて作品をコレクションする。だからニューヨークやロンドンで開催されるアートフェアに足を運べば、誰もが名前を知っている著名人とすれ違うことも珍しいことではない。
なぜ、それほどまでにアートが数多くの実業家たちを魅了するのだろうか?
それは、美術というものが多面性をもつ分野だからだろう。
アートとは、美しい色彩で見る者の心を癒す一方で、非常に高度な知的ゲームでもある。センス・感性が試されるのと共に、アートの核を理解するためには歴史・哲学・科学・文化史、さまざまな教養をもっていることが前提とされている。
つまり、所有しているアートがその持ち主の「人となり」を表していると言っても過言ではないのだ。これが、アートが世界を動かすような著名人の心を掴んで離さない理由である。 (M.K.)