アートと住まう、アートと暮らす
東京にもアートホテルが目立ちはじめてきた。単に趣味のいい絵画を掛けてある、なんてレベルの話ではない。部屋をまるごとアーティストがプロデュースしたというのが売り文句のホテルである。
ホテルが全面的にアートをバックアップした先駆けとしては、神楽坂のアグネスホテルが会場となって現代美術ギャラリーを招いたアートフェアがある。宿泊棟を全館貸し切り、ベッドの上などあらゆる生活スペースをも表現の一部としてしまうのは、主催者としてもアーティストとしても挑戦的でユニークな試みであった。
そして時を経て、2016年現在。
東京オリンピック開催を4年後に控え、「泊」についてもさまざまなニーズがあることが分かってきた。「古民家に泊まり、その土地の文化を学ぶ」体験型ステイ、「歴史的価値のある建築・調度品に囲まれる」文化型ステイ、そして「この世にまたとない空間に泊まる」アート密着型ステイ。宿泊だって、体験・空間・環境重視と、心を豊かにしてくれる状態にたいして価値を見出すフェーズにシフトしてきていることがよくわかる。
ART & LOGICの講座も、脳がアート合宿をするようなもの。2日間シャワーのようにアートのエッセンスを集中的に浴びる。だから、講座を終えた後に「世界の見え方が変わった!」という受講者の声が多く寄せられるのだ。この夏は、新たな気づきを生む時間に投資してみてはどうだろうか? (M.K.)