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今アメリカではMBAよりMFAの時代。

「MBA」(経営学修士)かつて、ビジネスの世界では、MBAを持つことがステータスとなり、ひとつの勲章とされてきた。
今、アメリカではMBAよりも、「Master of Fine Arts = MFA」(美術学修士)を持っている人材の方が重宝されている
給料も待遇も、MBAを持っているより、MFAを持っている人の方が圧倒的に高く評価される時代になっている。

不景気になってもモノだけはあふれ続ける世の中で、ある商品・プロダクツを買うか買わないかは、デザイン性・アート性が重要視される
そのため、物事を映像的にとらえたり、デザイン性を大学院で徹底的に研究してきたMFAを持っている人々が、売上に最も結びつきやすいスキルを持っているということで高く評価されているのだ。
MFAは、当然、MBA取得者より人数も断然少ないので、その稀少価値も評価されている一因だ。

MFAホルダーがビジネスをアップデートさせた実例

(出典「Advertising age」Agency Report 2022)

こちらは2021年の世界の広告会社のランキングである。
ここで注目すべき点は異業種からの参入組が上位を占めている点である。

4位のアクセンチュア、7位のデロイト、8位のPwCはいずれもコンサルティング会社である。
また9位のIBMはあのIBMである。

その背景にはインターネット広告費が2021年に「マスコミ4媒体(新聞、テレビ、ラジオ、雑誌)」の広告費を上回ったことが挙げられる。
広告が今やデジタル化しているのは周知の事実であり、よって今までは広告業界とは無縁であった企業群が参入したのである。

課題解決の手法・手段が今までのアナログ中心からデジタルに移行したのであるが、クリエイティブ(広告制作)部門がなければ広告は成立しない。
アクセンチュアは世界規模で広告制作会社を傘下に収め、IBMのアメリカ本社には1500人以上のデザイナーがいる。
各社のクリエイティブ部門ではMFAホルダーたちが主力として活躍しているのだ。

日本でも近年、美術(アート・デザイン)を学んだ人材が求められている。

ここ近年、多くの企業が美大卒、およびMFA(美術学修士)ホルダーを求めている。
東京藝大でMFA(美術学修士)を取得したとあるアーティストが久しぶりに母校を訪れた際に学内に貼られた求人票の多さにびっくりしたそうである。

以前は限られた業界からのみであったのだが、一見するとアートやデザインとは関係のなさそうな(上記で述べたようなコンサル業界など)会社の求人が増えていたそうなのだ。
AIテクノロジーが今後ますます発達し人の手を介さずに出来る仕事の領域は今後、ますます増えていくことであろう。
であるからこそ機械学習では成し遂げられない真のクリエイティヴな人材が求められているのだ。

iPod、iPhone、iPadなどAppleの主要な製品を生み出したジョナサン・アイブは、アメリカのRhode Island School of Design(ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン)でDoctor of Fine Arts(名誉芸術学博士号)を授与されている。

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