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古いのに新しい新たな潮流「新版画」というジャンル

最後の新版画家、笠松紫浪の年賀状
こちらの年賀状は今から60年前の1965年のものである。
差出人はわたくしの母方の親戚であり“最後の新版画家”と呼ばれた 笠松紫浪(かさまつしろう)が祖母に送ったものだ。
彼はスティーブジョブスが生前にコレクションをしていた川瀬 巴水(かわせ はすい)の弟弟子として鏑木清方の画塾「象外(しょうがい)画塾」に所属をしていた。

新版画とは?

新版画とは明治30年代から昭和40年代に制作された版画である。
明治維新以降、それまで人気であった浮世絵が安価な写真、雑誌、絵葉書などにおされて衰退してゆく。
このような状況のなか、木版画に興味を抱いたのがジャポニスムの影響を受けて来日した外国人のアーティストたちであった。
来日した外国人のアーティストたちの影響もあり国内でも新たな版元が登場し新版画というジャンルが立ち上がったのだ。
笠松紫浪が1991年に没してからその後、新版画は消滅した。
30年以上を経てスティーブ・ジョブスがコレクションをしていた影響もあり外国人の間で新版画のコレクションが密かなブームとなっている。
現に新版画を取り扱う古書店には外国人観光客で賑わっている。

ここ10年来、日本のアニメや漫画が海外で高く評価されており、多くの日本人が知らない日本人ミュージシャンが海外で高く評価をされている。
海外の叡智を吸収し学ぶことはとても大切なのであるが、私たちが忘れかけている日本の美を学ぶ事を決して忘れてはならない。(TM)

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