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欧米型美術教育のすゝめ

筆者は、イギリスで美術を学んでいた際に、地元の小学生のアートの時間を受け持ったことがある。また、イギリス、フランス、イタリアをはじめ、ヨーロッパ諸国の美術館を訪ね歩くうちに、美術教師に引率された小学生グループに出会うこともしばしばあった。どこでも共通するのが、「巨匠から学ぶ」。

美術館でピカソやダリ、大人ですら読み解くのは難しい抽象画を前にして、さまざまな問いを教師が投げかける。なにが見える?なに色が使われている?どんな気分になる?などなど。

 

小学校の美術の時間を思い出してほしい。先生や過去の生徒がつくったお手本をまず見せられ、その世界観の枠から飛び出ずにいかに上手につくるかが奨励されなかっただろうか。しかし欧米の美術教育では、目的がそもそも異なっている。

日本の美術教育のような手先の器用さではなく、発想の豊かさを伸ばすのが欧米型の美術教育なのである。

 

豊かな発想を生むために、まずは違いを認め合う姿勢を養う。世界の見え方はみんな違う、それが当たり前。その表現の仕方がそれぞれに異なるのも、当然のこと。

自身の世界を確立するためには、まず差が存在するということを肌で学び取るのである。

 

他民族が共存しており、肌の色も、信じる宗教も、家に帰って話す言語も違う場合が多々ある欧米では、この早期での教育が多様性の理解にひと役買っているのかもしれない。ART & LOGICも、このエッセンスを取り入れている。これこそが、ART & LOGICがお絵かき教室とは一線を画する所以なのだ。  (M.K.)

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